Fallout3 外伝 #20


地下鉄のトンネルを幾つか経由して、ヴァーノン広場・北に出たのは昼が過ぎていた。できることなら、闇夜に紛れて行動できそうな時間に辿り着きたかったが、影からあの巨体に襲われ、接近されでもしたら対応するのは無理かもしれない。どちらがよかったかなんて、考えても仕方がないということか。



地下鉄の出口には早速スーパーミュータントがお出迎えをしてくれ、何とか息を殺して耐えていたお陰で発見されることはなかったが、壁一つを隔てて奴らの声を聞いたのは、アンクル・レオと会話をしたとき以来か。

こいつが背中を見せた隙にその場を離れ、アガサが地図に示してくれた場所、Vault-Tecの本社へと向かった。



非常に大きくそびえ立つ建物は、当時の面影を強く残しているようで、瓦礫だらけになった周囲の風景とは一線を画していた。一目で解るようにロゴまで残っていて、見つける苦労はまるでない。

中に入り最初に目にしたのは、レーザーの光りだ。既に発見されたのかと焦り、盾として使えそうな受付の机の後ろに身を隠して様子をうかがったが、どうやら発見されたのは俺ではないようだ。



光りが収まってから距離を縮めていくと、転がっていたのはスーパーミュータントの死体で、遠くに見えたのはロボブレインだ。二階部分にそれはいるようで、それを避けながら近くのトイレへと一時身を隠して様子をうかがったが、ゴアバッグが置かれている事を考えると、スーパーミュータントが利用しつつも、ロボットたちが依然としてここを守っているということなのだろうか。

二階へと上がり、ロボブレインを沈黙させたあと周囲を見れば、先ほどのレーザー光で焼かれたと思われるスーパーミュータントの死体もあった。対スーパーミュータントになるだろうと覚悟をしてここに来たが、どうやら相手はロボットたちのようだ。鉄の塊も戦い方に困るんだが、方法がこれしかない。



が、奥へと進む扉を開けて真っ先に出会ったのは、警戒ロボット。ロケットランチャーまで装備した強力な相手で、もう片方はミニガンだ。遠くから撃ち合って勝てる相手ではない。それに光学兵器も持ち合わせていない。となれば接近して懐に入り、跳弾を覚悟でショットガンを撃ちまくる方が賢明だ。

上手く階段の高低差や踊り場の部分を利用して時間を稼ぎながら破壊することは出来たが、傷はあちこちに出来た。真っ先に出会った相手がこいつで生きているだけで上出来だろう。戦闘の音を聞いて駆けつけたプロテクトロンは簡単に頭を吹き飛ばして終わりにした。

その後出てきたのも大半がプロテクトロンとロボブレインで戦闘に関しては殆ど役に立たない連中で、苦労することは少なかったが、Mr.ガッツィーと遭遇戦になった時は、こんどこそ駄目かと覚悟しなければならなかった。



幸いにも火炎放射を受けなかったお陰で生き延びられたが、こいつはタフな上に接近しても攻撃手段を持つだけに、警戒ロボット同様に脅威の存在だ。光学兵器が無いお陰で、スーパーミュータントと戦っていた方が楽だったのでは、と思えるほどの苦行だ。
もっとも、最上階らしき部分にいたマスターブレインという名前のロボットを破壊した後は、全ての警備に当たっていたロボットの活動が停止し、ただの鉄の塊が転がっているだけになり、タレットを除けば安全に進めるようになった。

Vault-Tecの本社内部にあるいくつかのシステム運用ステーションというターミナルからVault-Tecメインフレームへのアクセス権を得て、念願だった全てのVaultの位置を手に入れることに成功した。



どうやらVault 92は北の外れにあるようだ。D.C.を抜け出して北を目指すことにする。

他にも幾つかVaultを見つけることが出来たが、興味深いのはメガトンの近くにある101。あの女の身につけていたジャンプスーツの番号だ。
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Fallout3 外伝 #19

Vaultの事が気になったとしても、知っているのはメガトンのすぐ近くにVaultがあるという噂と、パラダイス・フォールズにあったジャンプスーツの事ぐらいだ。まったく詳しくない。
悶々としながらスカベンジャーたちの停留ポイントの一つとなっている場所を見つけ、その中へ入っていった。彼らが留まるポイントはメガトンやリベットシティのような街の前であることが多いが、アレフ居住区のような小さな集落にも立ち寄っている。俺の知らない街か、人の住んでいる場所があるかと思えたからだ。そこならVaultの何かを知っている人物と出会えるかもしれないという期待もある。



吊り橋があり、その先は岩に囲まれた閉鎖的な空間。そこに小さな小屋があるだけだった。人が多く住んでいるようには見えず、ハズレを引いた気分だったが、僅かな可能性を信じて中へと足を踏み入れた。



中にいたのは老婆がたった一人。以前は夫婦で住んでいたらしいが、今はこの状態が続いているようで、物騒な世の中にあって無謀とも言える。が、老婆アガサはそれを気にかけていないようで、スカベンジャーが必要なものを売りに来てくれるしラジオが助けにもなる、と言いながら、いつの前にか俺は老婆のペースに引き込まれていた。

老婆はラジオでバイオリンの演奏を配信しているが、もっといいバイオリンが欲しいそうだ。
残念ながらそんな高価な代物は戦争で殆ど失われたはずだ。それをアガサが手作りで粗末ながらも作れていること自体が驚きなのだが、そんなもので満足は出来ないようで”本物”のバイオリンを俺に持ってきて欲しいと言う。その場所も見当がついていると、自信ありげにアガサは俺に続けるが、それ昔話だ。御伽噺のように古い話。戦争が起こる前にVault 92へと持ち込まれたストラディバリウスにまつわるエピソードと、それを保管していた完璧なケースの話。

それだけで十分に惹きつけられる。バイオリンへの興味ではなく、Vaultへの興味の部分で、だ。だがVault 92の場所は知らないらしく、代わりに知っているのはVault-Tec本社の場所だけ。むしろ好都合だ。Vault 92以外の部分も知ることができるのならこれ以上ないと言っていい。唯一の懸念材料は、Vault-Tec本社がD.C.の中にあるということだけだ。

あんなスーパーミュータントだらけの場所へ近づく奴の気が知れなかったが、これで俺もあそこへ向かわなければならなくなったわけだ。あそこへ向かうには手持ちの装備では不安を感じる。が、行くしかない。ここから近いのはパラダイス・フォールズか。あそこへ寄って、武器を整えてから向かうことにする。



だが、この静けさは何だろうか。馬鹿みたいに騒いでいた連中の声は聞こえてこない。入り口には見張りをしていたグロウズともう一人の死体が転がっていた。中に入っても幾つかの死体が放置されていて、奥に向かえば捕虜はボケたじいさんだけになっている。

いつか話に聞いたVaultのジャンプスーツの”あいつ”が現れたのか。そう思って部屋の中に入ってその場所を見てみたが、まだそれはそこに置かれたままだ。レイダーに襲われても簡単に退けるような連中ばかりだ。スーパーミュータントだって防げるはず。何にやられたのか解らないが、急いで隠してあった一張羅と幾つかの武器と取り出した。まだそこら辺にいれば身を守らなければならない。



一通り探してみたが、ここを襲った張本人らしき姿はなく、ユーロジーの死体が転がっていただけだ。トレードマークだった赤い服のまま。

まあ、いい。ここの連中は殺されても文句の言えない連中ばかりだった。俺もここに関わっていたんだ。タイミングが悪ければ、転がる死体の一つになっていたはずだ。誰がどんな方法でやったのかは知らないが。

どうやら、運だけはいいらしい。
そう思うようにして、D.C.へと繋がる地下鉄跡地へと向かう。
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Fallout3 外伝 #18

ジェファーソン記念館側からリベットシティの船首部分を望む位置に辿り着くと橋を渡してあるように見えたものが明確になった。
船首へと伸びたそれは明らかに人が歩き、向かうように使われており、壊れている様子もなく、今も使われているか、ここ最近まで使われているのは間違いないだろう。



だが、そこには非常に高度な鍵がかけられており、船内へはいる扉を開くことは出来そうになかった。殆どの扉や鍵のかかった箱などを開けてしまえる自信はあったが、それを越えるこの扉にはお手上げだった。他に入り口らしきものがないカサがしてみたが、陸上から見える範囲にはなく、残るは水中だけだ。



水中からくまなく船体を観察して入り口になりそうな裂け目を差がしたが、さすがに頑丈な船らしく、そういったものを見つけることは出来ず、唯一の希望は、真っ二つに割れた部分だけだ。元々は船内だった部分が露出しているんだ。扉に鍵がかかっているはずもなく、すんなりと中へ入ることが出来たが、空気の確保が難しく、所々にある空気溜まりを利用してゆっくりと中へと進んでいくほか無い。



ただ、そんなことは問題のうちに入らず、噂で聞いたとおりにミレルークが何匹かは入り込んでいたのは重大なことだった。銃器を水中でろくに使えるわけはなく、奴らと近接格闘になって太刀打ちできる装備もない。水の音に気を配りながら、ゆっくりと進み、なるべく離れた距離から足を狙い、そして振り向いたところへ顔を狙う。何とかこの方法で一匹は倒せたが、続いてやってきた二匹目に強烈なフックを喰らった。大事には至らなかったが相変わらず硬く強烈だ。

待ちかまえていたのは、それだけではなく、誰かが仕掛けたトラップが一式。地雷、グレネードのブーケ、ガス漏れ、それとターミナルを意図的にショートさせたもの。非常に手が込んでいる。”ファミリー”の連中へ会いに行ったときのことを考えればまだ楽な方だが、油断をすれば危ないほど仕掛けられているのは間違いない。



最後の扉を開けるスイッチを探し出し開くと、痩せた老人が一人で何かの作業をしている最中だった。リベットシティで聞いた噂は真実だったわけだ。船首部分に移り住んだピンカートン、その人だ。

最初こそアンドロイドについてとぼけていたが、頼めばすらすらとしゃべり出す所に人との関わりに飢えているように感じる。俺と同じだ。が、違うのは自慢の話を多くすることだろう。
ピンカートンは連邦の技術を大したことがないと言い、ウェイストランドで整形手術が出来るのは自分くらいなものだと大きな事を言ってのけた。設備や技術を含めて恐らくその通りなのだろうが、鼻につく部分がある。Dr.ジマーよりはマシだが。



Dr.リーというリベットシティにいたはずの医者たちと上手くいっていない愚痴を話ながら、ハークネスがアンドロイドだという驚くべき事実と、その証拠となる幾つかのデータを渡してくれた。彼の所有しているターミナルからデータを引き出し、ピンカートンのハークネスへは伝えるな、という忠告を聞くことにした。
もちろん、依頼主はDr.ジマーであり、ハークネスへ伝えたところで報酬が貰えるわけではなく、失ってしまう可能性の方が高い。そんな無駄なことをするために危険を冒したつもりは全くない。



だが、その場を離れて船外へと出ようと橋を渡してあった部分のロックを中から外すと、ヴィクトリアという黒人女性が中へといきなり入ってきてこちらへと話しかけてきた。みすぼらしい格好をしたその女性はアンドロイドを隠していた組織の一員だという。そして俺に壊れた部品を手渡し、それをジマーへ渡してアンドロイドは死んでいたと伝えろ、と要求をしてきた。武器を持たず、脅しているわけではない。ただ頼んでいるだけに過ぎないが、報酬次第では、それを受ける気にもなった。ジマーからの報酬は減額されるだろうが多少貰えるはずだ。それに加えてヴィクトリアの所属する組織、レールロードから報酬が出るのなら二重に貰えることになる。それは魅力的だったが、彼女曰く、報酬は微笑み、だというのだから従う訳にはいかなかった。



あとはリベットシティに戻ってDr.ジマーへと報告を済ませるだけだ。報酬は金品ではなく、ちょっとしたテクノロジーだったが、それでも”微笑み”よりは大きな報酬だ。その後のことは俺の関知するところではない。興味もない。
ハークネスはデフォルトに戻されて連れ去られてしまったかもしれないが、だからといって何かが変わるわけではない。

しかし、奴を調べている最中に出たVaultの設計図というのが気になる。この間のメガトンですれ違った女や、パラダイス・フォールズのジャンプスーツの持ち主といい、そんなに技術や特別な何かが詰まった場所なのか。
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Fallout3 外伝 #17

メガトンを訪れて、診療所へと向かう道で奇妙な服を身に纏った女とすれ違った。これまで何度も訪れてきたが、こんな格好をしたのは見たことがない。別のどこかで見た記憶があるが、この服を着ている女は見たことがない。背中には大きく101と書いてあるジャンプスーツにはアーマーらしきものが付けられていて、中国軍のアサルトライフルが背負われている。



色気がなくすす汚れたその女が通り過ぎて、しばらく後を犬が追いかけていく。

記憶をたどりながらその姿を目で追いかけていたが、思い出せたのはパラダイス・フォールズで見たVault77のジャンプスーツぐらいだ。あれをユーロジーたちが恐れていたことを思い出し、背筋が寒くなる思いがした。あれの持ち主ではないだろうが、奴隷商人をやっているような連中が恐れる存在がVaultなのだと精神的に擦り込まれていたらしい。何処を見てもとてつもない力を秘めているようには見えず、華奢な女だ。美人ではないが、男に媚びる連中よりは魅力的だ。メガトン出口に向かっていく尻が揺れるのを見ているのも悪くない。

思い過ごしのはずだ。そう思うことにして診療所のDr.チャーチを訪れる。
この男は口は悪いが、腕は確かだ。もしかすると何か知っているかもしれないと、開口一番ホロテープで知った二つの単語を出した。専門用語らしく、舌をかみそうになる名前をさも知っているように奴に話すと、簡単に教えてくれた。



先ほど出発したリベットシティにそれはあるとDr.チャーチは言う。そして聞いたことのない名前と共にそのことを告げていた。ピンカートンという人物が独り占めにしている、その人物に聞けとだけ教えてくれた。それ以上の情報は得られない。

船にいた医者は確かDr.プレストンでピンカートンではなかったが、チャーチが間違っているのか、それとも別に医者としての活動が出来る奴がそこにいるのか。再びリベットシティへと戻り、今度はピンカートンという名前の人物を捜さなければならない。チャーチの思い違いでなければいいのだが。



入り口にいたセキュリティ・ガードは船首の方にその人物の幽霊が出ることを口走っていたが、幽霊だというのならその人物はもう存在しないのか。しかも選手と言えば、大きな亀裂が入り、リベットシティとは断絶された部分で、入り口は確かなかったはずだ。



一人の証言だけで動きはしない。他の連中からも情報を引き出してみることにする。ここを守っているハークネスなら何か知っているかと話しかけてみたが、高圧的な態度で拒絶されるだけで情報は得られない。セキュリティの連中は、死んだかどこかへ行ったと思い込んでいると見て間違いない。それが正確な情報かどうかを知るには、他の職種の連中に聞いた方が良さそうだ。



近くにいたシュラプネルに話を聞いたが、その人物がリベットシティを建造したという噂まであるとか。それ以外はシュラプネルも同じく船首部分に噂があると教えてくれたが、それはミレルークの仕業だと注釈するのを忘れなかった。

他にもバノンはエングレイヴに参加したという噂まで教えてくれたが、信用できそうな情報は全く得られない。他にも探し回れば幾つかの情報を得られる可能性もあったが、ここまで船首部分に噂が集中しているのなら、何らかの証拠なり行方が掴めるものがあるだろう。



船体のこちら側から船首部分を眺めてみたが、やはり全体が寸断されていて道らしきものはない。放射能に汚染された水へ飛び込んで入口を捜すことも考えたが、確証が得られないままそんなリスクは犯したくはない。それほどの報酬であるとも思えない。

ふと遠くに船首側に繋がる道が出来ていることに気が付いた。陸地から粗末な板状のものを並べた橋だ。噂だけならあんなものがあるはず無いだろう。何かあるのは間違いない。
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Fallout3 外伝 #16

メガトンからリベットシティに向かうには地下鉄跡地を利用するルートとジェファーソン記念館へと向かう川沿いを南下する道の二つだ。D.C.方面はスーパーミュータントに占領されて久しく、どちらのルートを通っても戦わなければならないだろう。アンクル・レオみたいな奴が他にもいれば幾分楽になるんだが、そんなありもしないことは期待をしないでおく。



ジェファーソン記念館の対岸までたどり着き、残る道をリベットシティ方向へと向かっていく。幸いにもスーパーミュータントの姿はそこにはなく、苦労する必要は何処にもなく辿り着くことができた。

だが、アンクル・レオの話をして興味を示してくれそうな肝心の科学者たちの姿はラボになく、代わりにいたのは古びた背広を身に纏った老人だけだ。その男にラボの話を聞こうとしたが、ここにいた連中と相容れなかったらしく詳細は知らないが、居なくなったのは確かなようだ。
この男も科学者の端くれのようで、それならアンクル・レオのような特別なスーパーミュータントのことについても興味を示すかと思ったら、ジマーと名乗ったこの男が興味を持っているのはロボットだけのようだ。



人手が欲しいらしく、雇えるかどうかを尋ねられれば「報酬さえもらえるなら」と俺は答える。ここの科学者たちが居なくなったのなら、他にあの話をする当てはない。急ぐ理由もなくなったわけだ。なら、当てもなく動き回るよりもこちらの方が有益だ。もちろん、
最終的な判断を下すのは仕事の詳細をジマーから聞いてからにするが。

ジマーがいうには、それは人間のようなロボットの事だという。そこら中に溢れて無差別に攻撃を仕掛けてくる連中のような、一目でそれとわかるものではなく、外見は人間そっくりに作られて、奴隷が逃げ出すように、そのロボットも逃げ出した、と。アンドロイドとジマーは言っているが、それが整形手術をして外見を変えているとか、記憶を消去しているとか、なかなか厄介そうな内容だ。

報酬は連邦の最新技術の中から”何か”をもらえるらしい。技術なんてものより現物をもらいたいものだが、ここの所さらに情勢が悪化してきているのを身をもって感じている。”異常な”あるいは”正常な”スーパーミュータントの存在などもその内の一つだ。戦いを有利に進められるのであればそれでもいい。

ジマーから色々と情報を引き出せるだけ引き出したが、ジマーがこの場所を捜索場所に選んだのも頷けるものだった。周辺にここ以上の設備が整っているところはまず無く、姿を変えるのであれば相応の技術者が必要になる。



まずはこの船のDr.プレストンを調べる。これはジマーの提案だが、同じ船にいながら何も聞き出せていないところを見るだけでこの男の嫌われ方が解る。雇われたからには仕事はきっちりとこなすが、俺も無報酬なら関わり合いになりたくない。

プレストンは、そんな噂はデマだ、と一蹴しながらも出回っているというホロテープを渡してくれた。それを聞きながら、やはり人間の声だ、とロボット――ジマーならアンドロイドと呼ぶだろう――ではないと安易に否定をしたが、内容はジマーの言う通りだ。ジマーが偏執病者で、これをもとに妄想に取り憑かれたのでなければ。

情報が多少でもこのリベットシティにあるのなら、もしかすると他の情報がどこかにあるかもしれない、そう思って船内をくまなく探し回れば、教会の祭壇の中にホロテープを見つけることが出来た。



訳のわからない専門用語が幾つか出てきたが、その名前を俺が理解できるはずもなく、それらを理解できる専門家に聞く必要があった。Dr.プレストンは先に会話をしたようにこの事を全く信用していない節があるため、質問をしたところで協力的な姿勢を取ってくれないかもしれない。少し遠くなるが、メガトンのDr.チャーチに会いに行くことにしよう。
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